上の畑焼に伝わる絵付文様の中で、最も特色ある文様は「三多紋」である。「三多紋」とは、仏手柑・桃・柘榴の三つを描いた、中国支那に伝わるおめでたい吉祥図案で、仏手柑の仏は福と類似音であることから、古来より「招福」を、桃は仙桃と称して「長寿魔除け」を、柘榴は多男子すなわち「子孫繁栄」を意味するものである。このことにより、三多紋は「多福多寿子孫繁栄」をあわらす他に類例をみない縁起の良い文様とされている。